沖中幸太郎

辻田真佐憲さん(文筆家、近現代史研究家)インタビュー

歴史と今を繫ぐ

解説

「過去の歴史が、今とどうつながっているのか」という視点から、近現代のプロパガンダ、国歌、軍歌という切り口で研究、執筆をおこなっている近現代史研究家の辻田真佐憲さん。

twitterのアカウントである、reichsneet(ライヒスニート)とは辻田さんの造語で「国家に養ってもらっているもの」ということで、自身が国家公務員であったことに由来する。

元来ゲーム好きのインドアな子どもで、ミリタリー関係を好むようになったのは、中学生のころ。ゲーム『提督の決断』にハマってからだった。通学の電車内で読書習慣が付き、ゲームでハマったミリタリーへの関心と、読書による「文学」への興味ーー一流の詩人や音楽家も関わっていた軍歌、人文関係や詩が戦争にどう関わっていったのか、と結びつくことになる。

中・高時代は、歴史教科書問題や米国同時多発テロが起きた時代でもあり、「何が起こっているのか」知りたく、論壇誌の類いもすすんで読んでいた。

「不安定な世の中に対する、確固とした何かを求めていたのかもしれません。」

世の中の状況に応じて右往左往するのではなく、根本からの視座を求めたいと、大学は哲学専攻へ進むことに。ドイツ語フランス語を原書講読するだけでなく、その学びを活かしたいと、古今東西の軍歌を文語の日本語に訳したサイト『西洋軍歌蒐集館』を作った。

その後、大学院、公務員と文筆業への助走期間を経て、専業に。

扱う内容は、軍歌から派生して戦時中のプロパガンダなどの歴史を研究対象にしているが、公式サイトに掲げている「本は私の魂の指標ではない」というオウディウスの言葉通り、あくまで研究対象であり、特定の思想に固まっているわけではない。

自分の研究してきた知見を、現代社会でどのように役立たせるか、社会に貢献でき今を考えるヒントになるものを、従来の垣根を越えた様々なメディアで発信していきたいと考えている。

プロフィール

1984年、大阪府生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院文学研究科中退。現在、近現代史や文化史をテーマに執筆活動を行っている。著書に、『たのしいプロパガンダ』(イースト新書Q)、『ふしぎな君が代』『日本の軍歌』(以上、幻冬舎新書)、『愛国とレコード』(えにし書房)、『世界軍歌全集』(社会評論社)がある。

インタビュー

純喫茶から天上まで四方八方に広がった書棚に囲まれたご自宅に場所を移動し伺った辻田真佐憲さんへのインタビュー記事は、こちら。

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