岡田正彦さん(医学博士 新潟大学名誉教授)インタビュー

知ったことを正しく伝える

解説

少年時代から、数学や理科系の科目などに興味があり、定理定則を探求する研究者になりたいと思っていた。父と同じく、医の道に進む事に。研修医時代に先輩の処方を見て、医学は勘と経験に頼ってはダメだと考え、予防医学と医療統計学を学ぶようになる。国内外の様々な論文を分析して、現代医療というよりは現代科学の矛盾点が見えてきた。

医者が批判にさらされる場合、おうおうにして「医者が儲かる仕組みが問題なのだ」と言われる。岡田先生は、現代医療に警鐘を鳴らすも、医者の問題についてはこの批判は間違っていると主張する。

医者の利益に沿うというのは、現行の制度ではむしろそれは不可能になってきており、日本の大部分の医者はまじめなのだ。
では、なぜ薬漬けといった問題が起きるのか。

通常、さまざまな論文をもとにして処方が決定されていく。昨今の論文には、書かれてあることすべてに正否を判断できるほどの情報量ではなくなっている。すべてを読めないままサマリー(要約)を判断の根拠にしてしまうことから、誤った判断の元治療が行なわれてしまうのだという。決して利益優先などではない。だから根は深い。

多くの論文を分析し、また自身でも新潟スタディと呼ばれる、2000名もの追跡調査をしてきた経験がある。「知ってしまったものは、正しく伝える。「それが社会に還元する役目を持つ研究者の本分だ」と。人間の生き様、歴史が記録されるものであり、また手段である本で、それを伝えていく。

プロフィール

1946年、京都府に生まれ。新潟大学医学部卒業。1990年より同大学医学部教授。 専門は予防医学、医療統計学で、病気を予防するための診療をおこないながら、日本人におけるがんや血管障害などの危険因子を探る調査にも取り組んでいる。 1981年新潟日報文化賞、2001年臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」 受賞。 著書に『信じてはいけない医者 飲んではいけない薬 やってはいけない健康法 医療と健康の常識はウソだらけ』(カンゼン)、『死ぬときに後悔しない 医者とクスリの選び方』(アスコム)、『がん検診の大罪』(新潮社)など多数。

インタビュー

映画『華氏451』(原題:Fahrenheit 451)」を引き合いに、伝えることの重要性を語る、意欲に満ちた岡田正彦先生へのインタビュー記事は、こちら。(外部掲載先へリンクします。)