村上憲郎さん(前Google日本法人名誉会長 村上憲郎事務所代表)インタビュー

「この惑星をベタープレイスに」

解説

国内電器メーカー、電気通信機器を扱う多国籍企業、外資系教育会社の代表、Google本社副社長兼日本法人社長などを務めてきた、村上憲郎さん。変革の激しいITの世界で「業界の目利き」と評される。「理系・変革・未来志向」という志向は、幼少期から見られた。

周囲が貸本屋などで漫画を借りるのが一般的な時代だったが、村上さん自身は『少年少女空想科学小説全集』などを好んで読んでいた。地元の佐伯鶴城高校で数学者・宮崎大吉に出会い、さらに理系の世界へ。数学や物理を一生懸命に勉強していた背景には、「日常では見えない、その背後にある極微の世界や宇宙、この世の真理に携わる仕事がしたい」という想いがあった。「量子力学を勉強したい」、「相対性理論を勉強したい」という学問への憧れ。ところが、高校の先生に「理学部なんか行っても就職がないから工学部へ行け」と言われ、“仕方なく”工学部に進んだ。

九州という土地柄、労働運動も盛んで「自分の中には変革のパトスの血が流れている」という。京大時代は、学生運動に参加していたが、「それは団塊の世代によるストレスの発散で、手段も思想も稚拙だった」と振り返る。ただ,このときも、その後の仕事においても、常に心の奥底にあったのは、「この惑星を少しでもベタープレイスにしよう」という想い。今も昔も「今までの仕組みを壊しながら新しいものを作っていく」中で、常にその気持ちを照らし合わせている。

プロフィール

1947年大分県佐伯市出身。京都大学工学部資源工学科卒業。日立電子、DECを経てノーテルネットワークス日本法人代表に就任。2001年、ドーセント(米国の人材教育会社)日本法人を立ち上げたのち、2003年4月よりGoogle米国本社副社長兼日本法人代表取締役に就任。2008年12月9日に退任し、2009年1月1日より同社名誉会長。現在は同社の経営からは退き、村上憲郎事務所代表を務めている。豊の国かぼす特命大使。主な著書に『村上式シンプル英語勉強法-使える英語を、本気で身につける』『村上式シンプル仕事術-厳しい時代を生き抜く14の原理原則』など。