金出武雄さん(カーネギーメロン大学 ワイタカー記念全学教授)インタビュー

We are the creators!!

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解説

最初は5年という予定で渡ったアメリカも、気づけば35年。このほど、なんとなく「日本に帰ろうかな」と思い、故郷である丹波に家を建てた。カーネギーメロン大学の職はそのままに日米を往復する生活をしている。

戦後の混乱さめやらぬ中、金出先生は生まれた。外国に「追いつけ追い越せ」という雰囲気は、幼少期から肌で感じており、自身も「外貨準備高を気にする子どもだった」という。世界で活躍する競争心は、その頃育まれた。

先生の代理をするほど勉強熱心だったが、周りもそういう雰囲気だった。ときは高度成長期まっただ中。金出青年も「技術によって国を支えたい」という気概で京大工学部へ進んだ。ところが、入学試験で「いつもと違って参考書の通りに」やって、残り30分で問題がほとんどとけていないというピンチを迎える、一度トイレに向かい、冷静になった「本番もいつも通りに」……起死回生となった。

「科学も工学も文学も、同じ芸術の類じゃないか」という考えを表したのが、『独創はひらめかない 「素人発想、玄人実行」』(日本経済新聞出版社)は、「発想する時は、まるで素人のように単純で素直に、実行するときは玄人として緻密で正確に」という先生の研究の秘訣を、エピソードを交えながら書かれた「金出論」。

今「CGのような発展途上に、コンピュータービジョンはたっている」という。それを「パーフェクトストーム(千載一遇のチャンス)」と評する。コンピュータービジョンの2010年代は爆発的進歩の時代と位置づけられる。「技術の向上で、コンピュータービジョンが様々な場面で応用され、生活は便利になり、お年寄りは生活しやすくなります。そういう風に、人間がやること全てについてコンピュータービジョンが使える時代がもうすぐそこまで来ています。」

人間にしか出来ないと思っていたことが、どんどんコンピュータに任せられる時代。どんどん便利になって、さて我々は何をするべきか。先生が出演した映画『サロゲート』(ブルース・ウィルス主演)でのセリフは、以前記者から「人間より賢くなったら、コンピューターが人間を支配するようになりませんか?」と尋ねられた際の金出先生の返答の言葉である。

大丈夫「We are the creators(ロボットを作ったのは人間)」なのだから。

プロフィール

1945年生まれ、兵庫県出身。 京都大学電子工学科博士課程修了(工学博士)。同助教授を経て、80年にカーネギーメロン大学ロボット研究所高等研究員に。同研究所准教授、教授、所長を務め、現在に至る。 06年生活の質工学研究センターを設立、日本では01年に産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センターを設立。 専門はコンピュータビジョン、ロボット工学。自動運転車や自律ヘリコプター、アイビジョン、顔認識、仮想化現実、一人称ビジョンなどの世界的権威。 著書に『独創はひらめかない―「素人発想、玄人実行」の法則』(日本経済新聞出版社)など。

インタビュー

35年ぶりに日本に戻って建てられた、武家屋敷に並ぶ平屋の邸宅にお邪魔した、金出武雄先生へのインタビュー記事はこちら。(外部掲載先にリンクしています。)